2017年2月10日金曜日

苦難の先生探し(上)

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 2014年春。
 30年のブランクは甘くありません。すっかり譜面が読めなくなってしまいました。特に五線譜の下のおたまじゃくしが何の音か見えない。楽譜を指さしながらシ、ラ、ソ、ファ、ミと下ってようやく判明、という具合。指もかつてのように思うように動きません。
 よちよち歩きに戻った指で、ソチ五輪の真央ちゃんの演技の曲、ノクターン2番に手を付けてみました。半年もかかりましたが、大学時代に我流でやったことがあるおかげでなんとか最後まで弾けるようになりました。
 そしていずれはバラード、スケルツォを。夢を見るのは自由です。それにしてもいい時代になったものです。聴いてみたい、弾いてみたい曲がYouTubeを検索すればどんどん出てきます。家を片付けていたら、ソナチネアルバムのレコードが出てきました。40年以上前に子どものころ参考にできたお手本といえば、レコードぐらいだったのですね。
 3年前はお恥ずかしながら、有名なピアニストをあまり知りませんでした。せいぜい中村紘子さん、ブーニン、ホロビッツ、ルービンシュタインぐらい。YouTubeで大好きなバラードを検索していたら、貴公子のような風貌、華麗な運指、ソフトペダルから足を外す時のアクション、なにもかもが格好良すぎるピアニストを見つけ衝撃を受けました。ポーランド出身でショパンコンクールの覇者でもあるツィマーマンでした。彼のバラードはとても素晴らしかったのですが、それ以上に感銘をうけた作品がありました。
Zimerman plays Chopin Barcarolle Op. 60
 ショパンの舟歌。重ね重ねお恥ずかしながら、私はこの名作をあまりよく知りませんでした。八代亜紀の舟歌ならよく知っていたのですが(こちらもしみじみ名曲ですね)。発表会のトリで先生が弾いていた記憶があるぐらいでまじめに聴いたことがなかったのです。
 この曲は、不思議なもので何度聞いても全く飽きません。連日、アマチュア、プロ関係なくさまざま演奏を聴いてみました。おそらく千回以上は聴いたことでしょう。ポリーニ、アルゲリッチ、ダンタイソン、アシュケナージ...。この舟歌がきっかけでいろんな名ピアニストを知ることもできました。
 バラード1番をいつかはと思っていたのに、いつしかこの曲が目標となりました。
 2015年秋、全音ピアノピースの舟歌を購入しました。基礎的なことはすっとばしていきなり大作に挑戦です。最初の3小節に2カ月以上費やし、重音トリルに苦闘し、終盤のややこしい和音もなんとか譜読みし(たつもり)、猛練習して半年。しかしあるレベルからいっこうに上達する気配がなくなってきました。
 我流では限界があるのかも。先生についてきっちり教わるべき時かな。そう感じて、ピティナ・ピアノ教室紹介(http://www.piano.or.jp/teacher/)というサイトで、近隣市町でショパンを本格的に教えてくれそうなところを検索しました。ショパンに造詣が深い先生にこだわり、教えてもらえればいいなという教室を5つほどピックアップ、門戸をたたくことになりました。
 しかしここから想定外の苦難が始まったのです。
(続く)

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