
いよいよ本番。
精神と体が幽体離脱?気持ちの上で緊張していないつもりだったのに、いざ舞台のピアノを前にすると、手足が震えていることがわかったのが昨年の発表会。
さて。今年は前回と同じ舞台なので勝手はわかっているつもりだ。
前方のおじぎラインで一礼し、イスの位置を確認し、息を吸い込んで落ち着くよう努める。そして出だしの「シ」をそろりと弾いてみる。すると…。
「ん?」
一オクターブ高く弾いてるやないか。いきなり普段ではあり得ない間違い。しかしこれで緊張はほぐれたかも。よし、今年は手足は震えていないぞ。
まだ曲は始まっていいないので、気を取り直して、再開だ。音を抑えてたんたんと序盤を進める。スタインウエイ特有の軽やかなタッチ。弾むように戻ってくる鍵盤。心地よく前半部分は流すことが出来た。
そして中盤。右手の25ー13で音が抜けないよう注意し、フォルテとピアノのコントラストを意識して急がずゆっくり弾いて、最初の難所を迎え撃つ。
増4度で右手ジグザグ上昇、左手下降のおどろおどろしい不協和音の4小節だ。音が少し抜けたが、止まらないようにして、誤魔化して辛うじて通過。そしていよいよ最後の難所、両手25ー13の跳躍重音を迎える。
ここも急がず落ち着いて、と思いきや最初の2小節ほどでいきなりつまずく。止まらず誤魔化そうと試みるが復帰できない。少し戻って再復帰!まただめだ。もうわけがわからなくなり一気に進めてa tempoのところまで飛ばしてしまった。
中盤の難所でやらかして頭が真っ白になってしまった。このあと、実はどう弾いたかほとんど覚えていない。
魔物が現れそうな部分は十分わかっていたのに、またやられてしまった。
悔しい気持ちで一杯だ。できることならば最初から弾き直したいところだが、そうはいかない。これが本番というもの。大勢の観衆の前で魅了するプロは本当にすごいと痛感した。分野は違うが、体操やフィギュアなど一発勝負のアスリートたちも本当にすごいと思った。本番で普段の力を発揮することは本当にすごいことなのだ。
とはいえリベンジしたいな。そういえば、ピティナステップなるものを以前先生から教えてもらった。
これに挑戦してみるか。
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