2021年2月9日火曜日

軍隊から英雄に(憧れるも)

 憧れの英雄ポロネーズにチャレンジと相成りましたが、これにまつわる思い出話。前回からの続きとなります。
 
 山手線の内側の東京のど真ん中。大学の校舎が見える、家賃3万円、古い鉄筋ビルでトイレ共同の4畳半のアパートに居を構えた私は、ふらっと訪れた銀座の楽器店で、電子ピアノを衝動買い。確か24回払いの月々1万円です。

 これで14歳でぷっつり途切れたピアノがまた弾ける!
 
 トルコ行進曲、子犬のワルツ、軍隊ポロネーズ……。
 
 少年時代に発表会でやった曲を中心に、力いっぱい弾いてみました。この頃はタッチも何もあったものではなかったですね。今こんな弾き方をしたら絶対先生に叱られそうです。音は出せないのでヘッドホンで。アパートは床が畳ではなくタイル張りで硬いせいか、弾いた衝撃が下に伝わるのでしょう。真下で暮らす住人から苦情が来ました。

 程なく、憧れだった「英雄ポロネーズ」全音のピース版を購入しました。
 譜読みにはずいぶん時間がかかりました。
 導入部分からいきなり難しいですよね、半音ずつ上がっていく重音部分。今から思えば全く弾けていません。ごまかしまくり。
 メインの部分。ここは案外弾けた気分。でもスケールはうまく弾けずペダル踏んで誤魔化しまくり。
 左手オクターブ連打。腕がつりそうになって、最後まで無理。
 そんな感じで一部分だけ弾けるかなという、本当になんちゃって英雄。それでもこの曲に少しでも近づけた気分で嬉しかったものです。

 その後は、同じアパートに住む仲間がバンドをやっており、キーボードで参加。サザンオールスターズのコピーバンドをやっていました。やがて仲間は卒業、自分は留年でバンド活動もなくなり、ピアノに触れる機会は激減していまいました。自分も一年遅れて就職。そしてあれだけ弾くことに飢えていたピアノを全く弾かなくなってしまいました。

 

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2021年2月2日火曜日

軍隊から英雄に

 憧れの英雄ポロネーズにチャレンジと相成りましたが、これにまつわる思い出話。

 14歳の時のことです。
 英雄ポロネーズに憧れていた少年の気持ちを汲んでくれたのでしょうか、ピアノ教室の先生は発表会の曲として同じショパンの軍隊ポロネーズを勧めてくれました。
 発表会の半年前でした。猶予はあるように思っていましたが、甘い甘い。それからは悪戦苦闘の日々です。当時の自分の実力をかなり上回る曲だったのは間違いありません。それでも何とかなるもんなんですね。発表会では内容はともかく暗譜で演じきれました。
 しかしその発表会から間もなく不幸が到来しました。家庭の事情で、これを最後にピアノ教室をやめ、しばらくピアノに触れることができなくなりました。父親の事業失敗で、ピアノを含め、家財が競売で没収され、ある日学校から帰ったら家には自分の机を除いて何もありませんでした。ピアノどころではなくなっていたのでした。
 その後、きっちりとピアノに触れることができるようになったのは、中学、高校、1年の浪人期間を経た5年後です。東京の大学に入り、大阪から上京して銀座を徘徊していた時にふと入ったヤマハのショップがきっかけでした。
 試弾できた電子ピアノにたぶん何時間もかじりついていました。今から35年前のことです。当時の電子ピアノは安くはありませんでした。今はずいぶん安く高性能になったものですね。欲しかったのは確か22万円だったと思います。でも上京したての大学生にそんな大金はありません。迷っていたら店のお姉さんはローンを勧めてくれました。月1万円で2年払い!即決とはいかず一旦審査ですが、ほぼ無一文の学生でもローン審査は無事通り、1週間ほどして四畳半のアパートに電子ピアノがやってきたのでした。

 14歳で途切れたピアノを再開できる!19歳の春のことでした。

続く

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2021年2月1日月曜日

10歳からの憧れ曲を55歳で挑戦

 ピアノを再開し、大人になって新たに教室に教室に通って早4年が過ぎました。

 ショパンの舟歌が弾けるようになるのを夢見て、習い始めたものの、この曲を弾けるスキルが身につくまで封印していました。

 そして実は舟歌の他にもう1曲封印していた憧れの曲がありました。

「英雄ポロネーズ」です。

 もう45年ほど前でしょうか。人気のドラマ、赤いシリーズで水谷豊主演の「赤い激流」というのがありました。赤いシリーズというと山口百恵、三浦友和主演が定番でしたが、唯一主演が違うドラマでしたね。父親殺しの容疑をかけられながらピアノコンクールに挑戦するというお話です。そしてこのドラマでのコンクールの最初の課題曲が「英雄ポロネーズ」でした。

 ピアノ曲でこんな格好いい曲があるのか!!私は当時小学5年生の少年でしたが、ドラマで演じられたこの曲を聴いて衝撃を受けました。

 いつか弾けるようになりたい。

 大学の時、独学でなんちゃってで、音飛びまくりで弾いたものでしたが、難所だらけで通しで弾くなんて夢のまた夢でした。ところが先日久々にどんなものだっけと、と弾いてみたら……。4年間基礎をじっくりやった効果なんでしょうか、かつてどうやっても弾けなかった部分もなんとかなりそう。というわけでこの曲に関しては封印を解くことにしました。

 10歳からの憧れの曲を、もう55歳になってしまいましたが、年末の発表会に向けて練習します。

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緊張克服は場慣れ

    先月、サークルの発表会がありました。   街ピアノにトライしてきたのも、発表会の緊張に慣れるためでした。     以前も書きましたが、発表会といえば、大人になってから初めて出たのがちょうど 5 年前。当時 51 歳で、先生から習うのは 14 歳の時以来 37 年ぶりです。...